若桜郷土文化の里
朝夕の風に涼しさを感じ始めた9月上旬、若桜郷土文化の里へ行ってきました。若桜郷土文化の里は若桜駅からほど近い屋堂羅集落の入り口に位置し、「若桜町歴史民俗資料館」、鳥取県指定保護文化財である「三百田氏住宅」、そしてギャラリーの見学や木工品の製作体験のできる「たくみの館」などがあり今年でオープンから20年目を迎えます。
たくみの館へ! |
たくみの館に入ると爽やかな木の香りが心地よく私たちをリラックスさせてくれました。
この日説明してくださったのは管理人の門村正行さん。門村さんは鬼ヶ城が国の史跡に指定された際に活動したのが縁で若桜郷土文化の里の管理人に就任され、以来10年間管理人を務められているそうです。この日も展示物の作業をしておられ、「歴史が好きだからこういった作業も楽しいんだ」と門村さん。良かったことや悪かったことはとの質問にも、「お客さんの喜びや出会い、コミュニケーションや皆さんの協力がとても嬉しいので、悪いことはあまり思いつかない」とのことでした。この日はたまたま見学の団体の方が来られ施設内を見学されていましたが、しばらくするとギャラリーの中から若桜小唄の音楽が流れ、大きな歌声も聴こえてきて驚きました。後から尋ねてみると、団体のお客さんが来られた時には門村さん自ら若桜小唄を披露されるとのことで、このようなサービスも「たくみの館」の魅力のひとつだと感じました。
続いて、体験実習室に移動しました。そこには木工ろくろがあり、製作体験をすることができます。製作体験には、管理人さんに指導をしてもらいながら、初心者でも簡単にコマや茶たく、こけしなどをいずれも数百円の材料費で作ることができ、とても好評とのことでした。若桜の木で自分だけのものを作れるのは嬉しいですね!
木工ろくろ |
こんなものが作れるよ! |
ずらりと並ぶこけし |
続いて、三百田氏住宅に移動しました。三百田氏住宅は若桜町吉川集落に実際にあった庄屋で江戸時代中期の建築物ですが、町が建物を譲り受けて平成4年から2年間をかけ若桜郷土文化の里へ移転を行い現在では県指定保護文化財に指定されています。
県外から若桜郷土文化の里を訪れる方の中では三百田氏住宅を目的に訪れられる方が一番多いとのこと。
また、門村さんの「若桜郷土文化の里は若桜の歴史を語るにはこれ以上ない最高の場所です。」とのお言葉が印象的でした。聞くとまず立地がすばらしく正面には鬼ヶ城、眼下には若桜宿が見渡せる上に日の出から日の入りまでの日照時間が長いこと、かつて若桜中学校や八頭高校の若桜分校があったことや若桜歴史民俗資料館や三百田氏住宅など歴史資料が豊富にあることを挙げられていました。
このように縁側に座り若桜を一望しながら門村さんの話しを聞いていると歴史のロマンを感じずにはいられません。
ロマンを感じます |
こんな案内看板もあります |
続いて、若桜町歴史民俗資料館に立ち寄りました。若桜町歴史民俗資料館は昭和56年まで山陰合同銀行若桜支店として使用されていた土蔵造りの建物を移転して使用しており、資料館を開館した際に町内の方々から寄贈していただいた明治~昭和のゆかりの品々を中心に展示を行っています。他にも若桜町内で出土された化石や高野古墳や浅井古墳の出土品、諸鹿石や三倉石をはじめとした若桜の名石の数々の展示、美しい日本庭園など多くの見所があります。私たちも資料館の中を見始めてから1時間弱入り浸ってしまいました。やはり歴史は知れば知るほど面白くなってくるものがあります。また入口前の広場も時間を忘れさせるほど穏やかでゆったりとした場所であり、危うく取材であることを忘れるところでした。
いざ中へ! |
歴史を感じます |
昔の衣装が綺麗に残っているんですね~ |
このように若桜郷土文化の里ではたくみの館、三百田氏住宅、若桜町歴史民俗資料館など様々な楽しみ方が出来ます。また、すべての施設が無料で見学できるので三百田氏住宅を目的に訪れた方がたくみの館のギャラリー企画展に立ち寄り満足して帰られるなどふとした出会いがあるのも魅力の一つだそうです。他にも裏山にある若桜町森林公園の標高284メートルの東屋から見る若桜の町並みは格別なものがありますのでぜひ皆様にも見て頂きたいと思います。
美しい景色が見渡せます |
最後になりましたがたくみの館では年約10本の企画展を行われているそうで今回展示されていた池田写真クラブ写真展は残念ながら9月4日に終わってしまいましたが、9月10日(土)からは「どんぐりさんと仲間たち 3人展」が開催されます。木製家具の製作をされている柿田隆さん(八頭町在住)、樹脂粘土による作品製作をされている山根のり子さん(鳥取市在住)、言葉絵作品で県内外で活動されている澤田直見さん(智頭町)によるコラボ作品展です。9月22日(木祝)には事前申し込み不要で製作体験会も行われますので皆様も参加してみてはいかがでしょうか?
しっかり記帳して帰ります! |
アクセスマップ |
(記:山根栄真、山野卓也)