○索道事業の運転規則
平成18年8月30日
規則第30号
第1章 運転総則
(目的)
第1条 この規則は、単線固定循環式特殊索道(以下「索道」という。)の安全な運転を行うに必要な取扱いを定めることにより、その使命の達成を図ることを目的とする。
(適用範囲等)
第2条 この規則を適用する索道は下記の施設とする。
名称 |
若桜第1ペアリフト |
若桜第2ペアリフト |
若桜第3リフト |
2 索道の運転及び旅客の取扱いに関係ある業務に従事する者は、その取扱いについてこの規則に定めるもののほか、関係法令、規程等を忠実に遵守しなければならない。
(勤務配置等)
第3条 町長は、あらかじめ係員の勤務配置、連絡方法、作業の順序、作業方法等を策定し、関係者に周知しなければならない。
2 係員の職名と職務の内容は、索道事業の係員の服務規則(平成18年若桜町規則第29号)第2条のとおりとする。
第2章 係員
(安全の確保)
第4条 係員は、索道の運転にあたって、知識及び技能並びに関係設備を総合的に活用して、安全の確保に努めなければならない。
(知識、技能の保持)
第5条 係員は、索道を安全に運転するための必要な知識、技能を保持しなければならない。
(係員に対する指導、監督)
第6条 町長及び索道所長は、係員に対し、索道の安全運転及び乗客の救助に必要な教育及び訓練等を実施しなければならない。
2 前項の職にあるものは、係員に対し、索道の運転中又はそれ以外のときでも随時運転上必要な指示を与える等、適切な指導、監督をしなければならない。
(心身異常の場合の処置)
第7条 前条の職にある者は、係員の心身の状態を見て、その知識、技能が十分に発揮できないと認められるときは、運転の安全に関する職務に従事させてはならない。
2 係員は、心身の状態によって、その知識及び技能を発揮できない状態にあるときは、その旨申し出なければならない。
(職場離脱の禁止等)
第8条 係員は、索道運転中無断で所定の勤務場所を離れてはならない。
2 係員は、所定の勤務場所をやむをえない理由により離れるときは、リフト保安員の許可を得て、代務者との交替を終えなければならない。
3 運転員は、勤務を交代するときは、代務者と運転に関する必要事項を相互に確認しなければならない。
第3章 運転
(相互連絡等)
第9条 係員は、運転室、停留場、監視所間の相互連絡は、保安通信設備等により、緊密に行わなければならない。
(出発合図)
第10条 係員は、索道を運転しようとするときは、出発合図をしなければならない。
(運転開始)
第11条 運転員は、関係箇所と連絡のうえ、安全を確認し、出発合図を行った後、索道の運転を開始しなければならない。
(運転禁止)
第12条 リフト保安員は、索道施設の一部が故障し、運転に危険のあるとき又は他の係員が所定の配置についていないときは、索道を運転してはならない。
(営業運転前の試運転)
第13条 係員は、1日1回営業運転の前に、起点から終点までの間の試運転を行い、機能の安全を確認しなければならない。
2 索条等に着雪、着氷があるときは、別に定める「着雪時等の試運転要領」(平成18年若桜町告示第49号)によるものとする。
(運行時間)
第14条 リフトは次の運行時間以外は営業運転をしてはならない。
運行時間 午前8時00分から午後5時00分
ただし、気象条件及び輸送需要等により、索道所長の許可を受けた場合は、この限りではない。
(運転速度及び搬器出発間隔)
第15条 この規則を適用する索道の運転速度及び搬器出発間隔は、別紙1による。
(運送制限)
第15条の2 乗車側係員は、当該索道の構造に適合しない旅客を乗車させてはならない。ただし、索道所長が乗降及び救助における安全に支障がないと認めた者はこの限りではない。
索道所長が乗降及び救助における安全に支障がないと認めた者
(1) 他社の索道従業員
(2) 索道の保守関係者
(3) その他
(乗車人員)
第16条 搬器には、定員以上(1人乗りリフトには2人以上、2人乗りリフトには3人以上)乗車させてはならない。
2 乗車側乗客員は、2人乗りリフトに1人乗車させるときは、搬器のバランスを考慮して乗車させなければならない。
(旅客の安全確認)
第17条 乗客員は、旅客が乗車又は降車するときには、安全確認をしなければならない。
(乗降に不安のある旅客が乗車した場合の対応)
第18条 乗車側乗客員は、乗り場において降車に不安のある旅客が乗車したときは、速やかに降車側乗客員に連絡しなければならない。
2 降車側乗客員は、乗車側乗客員より連絡があったときは、降車に不安のある乗客に十分注意して、降車させなければならない。ただし、運転速度減速装置を有する索道にあっては、減速等の措置を講じなければならない。
(下り乗車の取扱い)
第19条 山頂の係員は、別紙1で指定する索道を除き、下り線に旅客を乗車させてはならない。ただし、緊急やむを得ない場合であって、索道技術管理者の許可を得た場合は、山麓側の係員に連絡して旅客の安全を確保したうえで、乗車させることができるものとする。
(逆転運転の禁止)
第20条 運転員は、索道を逆転運転してはならない。ただし、点検等でやむを得ない場合及び保安設備が作動し搬器を移動する必要が生じた場合は、索道所長の許可を得たのち、線路中の安全を確認して、逆転運転をすることができる。
(監視)
第21条 リフト保安員は、索道の運行状況、乗客の状態及び環境の変化等に注意し、危険のおそれのあるときは、ただちに運転を停止する等の処置を講じなければならない。
(気象情報の収集)
第22条 索道所長は、事前に気象情報の収集に努め、得た気象情報を、速やかに関係者に連絡しなければならない。
(異常気象時の処置)
第23条 索道所長は、気象状態が次の各号のいずれかに該当し、異常気象と判断され、索道の通常運転に影響があると思われるときは、注意運転、警戒運転、運転停止等を行わなければならない。
(1) 風速計の表示が別紙1の異常気象時の風速の欄に掲げる風速に該当する場合
(2) 風雪、強風、大雪、雷等により、通常運転が困難と判断された場合
(3) 当索道のある地方に、風雪、強風、大雪、雷等の各注意報が発表されている場合
(4) その他、当索道に何らかの影響が生じると判断される場合
(異常気象時の運転方法)
第24条 異常気象時の運転方法は、次のとおりとする。
(1) 注意運転・・・線路全体の状況を確認しながら行う運転
(2) 警戒運転・・・運転速度を別紙1の減速速度にするとともに、線路全体の状況を確認しながら行い、いつなん時でも停止できる体制下での運転
(注意運転等の範囲)
第25条 前条の運転方法は、次の場合に適合する。
(1) 注意運転・・・風速計の表示が別紙1の注意運転を行う際の風速の欄に掲げる風速に該当する場合
(2) 警戒運転・・・風速計の表示が別紙1の警戒運転を行う際の風速の欄に掲げる風速に該当する場合及び係員が揺れ等により、通常運転及び注意運転で困難と判断する場合
(異常気象時の運転停止)
第26条 風速計の表示が別紙1の運転停止の風速の欄に掲げる風速に該当したときは、速やかに索道の運転を停止しなければならない。
2 運転員は、注意運転中及び警戒運転中であっても、安全運行を継続して行くことが難しいと判断したときは、索道の運転を停止させなければならない。
2 索道所長は、運転員より前項の報告があったときは、乗客に対しては現在索道の運転を停止している旨並びに係員の指示に従うよう周知し、これから乗車しようとしている旅客に対しては、索道の運転を停止している旨を周知しなければならない。
(非常停止)
第29条 係員は、索道の運転及び乗客に危険を感じたときは、速やかに非常停止しなければならない。
2 係員は、索道を非常停止させたときは、必要に応じ、リフト保安員に通報しなければならない。
3 係員は、索道を非常停止させたときは、その原因を確かめて排除し、かつ安全を確認して、運転再開を要請しなければならない。
4 リフト保安員は、運転再開にあたっては、関係箇所と連絡のうえ、索道の運転を開始しなければならない。
(減速運転)
第30条 係員は、別紙1で指定している索道については、索道の運転中、次の各号のいずれかの状況が生じた場合は、直ちに運転速度を別紙1の減速時の速度の欄に掲げる速度に減速しなければならない。
(1) 乗客が乗降の際、その動作が運転中の速度では不安と判断されるとき。
(2) 乗客より減速を要請されたとき。
(3) 搬器から降車した旅客が降り場に滞留したとき。
(4) その他、必要と思われるとき。
2 係員は、減速運転を終了し、通常運転に復帰させる場合は、安全を確認した後に復帰させなければならない。
(運転終了及び停止)
第31条 運転員は、関係箇所と連絡のうえ、所定の時刻に索道の通常運転を終了しなければならない。
2 運転員は、旅客が皆無のときは、関係箇所と連絡のうえ、索道の通常運転を停止することができる。
3 前項の場合の運転再開にあたっては、運転員は関係箇所と連絡のうえ、索道の運転を開始しなければならない。
(運転状況の記録)
第32条 運転員は、索道の運転状況を別に定める様式により記録しなければならない。
第4章 事故の処理
(事故発生時の処置)
第33条 事故及び事故が発生するおそれがあると認められる事態(インシデント。以下「事故等」という。)が発生したときは、係員は直ちに運転を停止させ、必要な処置を講じた後、事故等の状況を判断し、索道所長に通報するとともに、その状況に応じて必要な処置を講じなければならない。
2 関係者は、乗客の安全を最優先に、全力をあげて事故等の処理にあたらなければならない。
3 索道所長は、必要に応じて、中国運輸局及び郡家警察等の関係機関に事故等の概要を速報しなければならない。
4 索道所長は、必要に応じて、事故等の目撃者より事故等の状況を聞き、かつ事故等の現場の保存及び現場の状況を写真等で保存しなければならない。
(予備原動機の運転)
第34条 索道所長は、別紙1で指定する索道については、停電、事故、故障等により主原動機による運転が不可能と判断される場合は、係員に対し、予備原動機による運転を指示しなければならない。
2 運転員は、予備原動機による運転を行う場合は、関係箇所にその旨の周知徹底を図り、安全を確認した後に運転しなければならない。
3 予備原動機の運転は、別に定める「特殊索道予備原動機運転取扱要領」(平成18年若桜町告示第50号)によらなければならない。
(乗客の救助)
第35条 索道所長は、索道の運転が停電、事故、故障等により、主原動機及び予備原動機による運転が不可能となり、長時間にわたって運転再開ができないと判断される場合及びその他の事由により乗客を救助しなければならないと判断したときは、速やかに係員に乗客の救助を指示しなければならない。
2 係員は、索道所長の指示により、別に定める「特殊索道救助作業要領」(平成18年若桜町告示第51号)に基づき、安全、迅速に乗客を救助しなければならない。
3 救助作業中は、主原動機及び予備原動機による運転を行ってはならない。
第5章 その他
(掲示等)
第36条 索道所長は、停留場における安全かつ円滑な乗降及び停留場間における安全な運送を確保するために、旅客が遵守すべき事項及び運行時間等を、旅客に見やすいように掲示しなければならない。
附則
この規則は、平成18年9月1日から施行する。
別紙1
適用索道仕様
索道の名称 | 若桜第1ペアリフト | 若桜第2ペアリフト | 若桜第3リフト | ||||
索道の方式 | 単線固定循環式 | 単線固定循環式 | 単線固定循環式 | ||||
利用の形態 | スキーをしようとする旅客 | スキーをしようとする旅客 | スキーをしようとする旅客 | ||||
旅客の態様 | スキー・ボード | スキー・ボード | スキー・ボード | ||||
運転速度 | 最高運転速度 | 夏季用 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||
冬季用 | 2.0m/s | 2.29m/s | 2.3m/s | ||||
減速時の速度 | 夏季用 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | |||
冬季用 | 1.6m/s | 1.6m/s | 1.8m/s | ||||
乗降時の速度 | 夏季用 | 滑走具装着 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||
滑走具携行 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||||
その他 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||||
乗車用補助装置 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||||
冬季用 | 滑走具装着 | 2.0m/s | 2.29m/s | 2.3m/s | |||
滑走具携行 | 1.6m/s | 1.6m/s | 1.8m/s | ||||
その他 | 1.6m/s | 1.6m/s | 1.8m/s | ||||
乗車用補助装置 | ―m/s | ―m/s | ―m/s | ||||
予備原動機による運転速度 | ―m/s | 0.53m/s | ―m/s | ||||
搬器間隔 | 夏季用 | ―m | ―m | ―m | |||
冬季用 | 12m | 13.74m | 11.5m | ||||
出発間隔 | 夏季用 | ―秒 | ―秒 | ―秒 | |||
冬季用 | 6秒 | 6秒 | 5秒 | ||||
搬器 | 最大乗車人員 | 2人乗り | 2人乗り | 1人乗り | |||
救助装置 | 配置位置 | 山頂・山麓 | 山頂・山麓 | 山頂・山麓 | |||
照明設備の有無 | 無 | 無 | 無 | ||||
下り線乗車の有無 | 無 | 有 | 無 | ||||
異常気象時の風速 | 注意運転を行う際の風速 | 10m/s以上15m/s未満 | 10m/s以上15m/s未満 | 10m/s以上15m/s未満 | |||
警戒運転を行う際の風速 | 15m/s以上18m/s未満 | 15m/s以上18m/s未満 | 15m/s以上18m/s未満 | ||||
運転停止の風速 | 18m/s以上瞬時 | 18m/s以上5秒間継続 | 18m/s以上5秒間継続 |