○若桜町議会基本条例
平成21年9月30日
条例第24号
(前文)
地方議会は、二元代表民主制の一翼を担う住民代表の機関として、地方公共団体における事務・事業の執行について、監視機能及び立法機能を発揮しながら、政策の提言・提案を行い、地方自治本旨の実現を目指すものである。
若桜町議会(以下「議会」という。)は、若桜町町民によって選ばれた議員で構成し、議事機関としての役割と責務を果たす町の最高意思決定機関であり、町民の福祉増進のために活動するものである。
議会は、民意を代弁する合議制機関であり、議員はその信託に応えるため、「若桜町議会議員政治倫理に関する決議」に基づき品格ある言動と高い使命感のもとに、自らの創意と研鑽を積み、町民との協調をはかりながら、公正性・透明性を基本とした活動を行うものであり、町民に開かれた議会、町民参画の町政を目指して、この基本条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、議会運営及び議員に係る基本事項を定め、活力ある豊かな地域づくりと町民の福祉向上に資することを目的とする。
(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 公正性及び透明性を確保し、町民に開かれた議会を目指すこと。
(2) 町民の多様な意見を的確に把握し、町政に反映させるための運営に努めること。
(3) 議会内での申し合わせ事項は、不断に見直しを行うこと。
(4) 町民の傍聴意欲を高める議会運営を行うこと。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動を行わなければならない。
(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 町政の課題全般について、町民の意見を的確に把握するとともに、自己品格と能力を高める不断の研鑽によって、町民の代表としてふさわしい活動をすること。
(3) 議会の構成員として、一部団体及び地域代表にとらわれず、町民全体の福利向上を目指して活動すること。
(4) 議員は政策立案能力を高め、政策の提言、提案の拡大に努めること。
(会派)
第4条 議員は、議員活動のため若桜町議会会派に関する内規に則り、会派を結成することができる。
(町民参加及び町民との連携)
第5条 議会は、町民に対し積極的にその有する情報を発信し、説明責任を果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほかすべての会議を原則公開とする。
3 議会は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)の運営にあたり、地方自治法の規定による専門的知見で、参考人制度及び公聴会制度を活用し、町民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、町民との意見交換の場を設け、町政に反映するよう努めるものとする。
(議会報告会)
第6条 議会は、町政の諸課題に柔軟に対処するため、町政全般にわたり、議員及び町民が自由に情報及び意見を交換する議会報告会を行うものとする。
2 議会報告会に関することは別に定める。
(議員と町長等執行機関の関係)
第7条 議会審議における議員と町長等執行機関及びその職員(以下「町長等」という。)との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければならない。
(1) 本会議における議員と町長等の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答方式で行うことができる。
(2) 本会議及び委員会へ出席を要請された町長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。
(3) 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して町長等に対し文書で質問することができる。この場合、文書により回答を求めるものとする。
(4) 議会は、議員が行う町長等への口頭による要請に対し、両者間の透明性を図るため、日時、要請内容、対応及び経過等を記録した文書を作成するよう町長等に求めるものとする。
(議会審議における論点、情報の形成)
第8条 議会は、町長等が提案する重要政策について、その論点の水準を高めるため、町長等に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求めるものとする。
(1) 政策の発生源
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 町民参加の実施の有無とその内容
(5) 総合計画等との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたるコスト計算
(予算及び決算における政策説明)
第9条 議会は、予算及び決算の審査に当たっては、前条の規定に準じ、分かりやすい施策別又は事業別の説明及び評価を町長に求めるものとする。
(議会の合意形成)
第10条 議会は、言論の府であることを十分に認識し、町長等に対する会議への出席要請は必要最小限にとどめ、議員相互間の自由討議を中心に運営しなければならない。
2 議会は、本会議及び委員会において、議員、委員会及び町長提出議案並びに町民の提案に関する審議の結論は、議員相互間の議論を尽くし、合意形成に努めるものとする。
(政策討論会)
第11条 町政に関する重要な政策及び課題に対しては、議会としての共通認識の醸成を図り、合意形成を得るため、政策討論会を開催する。
2 政策討論会に関することは別に定める。
(委員会の活動)
第12条 委員会審査に当たっては、資料等を積極的に公開しながら、町民に対し分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。
2 委員長は、委員会の秩序保持に努め、委員長報告を自ら作成するとともに、質疑に対する答弁も責任をもって行わなければならない。
3 委員会は、町民からの要請に応じ出前講座を積極的に行うよう努めるものとする。
(議員研修の充実強化)
第13条 議会は、議員の政策形成及び立案能力等の向上を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。
(議会広報の充実)
第14条 議会は、議案に対する各議員の対応を議会広報で公表する等、情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
(議員定数)
第15条 議員定数は、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、二元代表制の役割等を考慮して決定するものとする。
(議員報酬)
第16条 議員報酬の改正に当たっては、特別職報酬審議会及び町民の客観的意見を参考に決定するものとする。
(最高規範性)
第17条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定してはならない。
2 議会は、議員に対し、条例の理念を浸透させるため、就任後速やかにこの条例の研修を行わなければならない。
(検証)
第18条 議会は、毎年議会運営及び議員活動がこの条例に即しているか、検証しなければならない。
2 議長は、前項の検証内容を広報等で町民に発信するよう努めるものとする。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成30年12月18日条例第23号)
この条例は、公布の日から施行する。